[0386-201412] 革靴のつま先を持つあなたへ。赤ちゃんを抱っこするとき、頭を掴んで持ち上げますか?

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靴のつま先を持たない理由

世の中には、その方面に興味が無いと気がつかない、意識しないことがたくさんあります。

中でも「気にせず(気付かずに)やっているけれど、実は眉をひそめられている行動」というのは、知っておくだけでも結構お得です。

何故なら、それをしないだけで、好印象を与えることが出来るからです。特にお店で。

例えば万年筆のペン先は触らない、とか。機械式の腕時計で一言断りも入れずにいきなり竜頭を巻き始めるとか。いきなり振り始める、とか。

ただ、それはやってしまっている人が悪い訳じゃないんです。
悪意は全くないのですから。
お店の側の、その仕事に携わっている側の、伝える側の問題です。
伝えられていない。私も含めて。

ということで、今日はお店で革靴を手に取る時、何故「つま先を掴んではいけないのか」。改めて書いてみます。

[0187-201405] 知っておいて損はないと思う、革靴のつま先を持ってはいけない理由。 | Life Style Image

汚れるのは、拭けば磨けば良いんです。

私はつま先は靴の顔だと思っています。
真っ先に目に入りやすいですし、ここをいじれば表情が変わりやすい。
勿論つま先だけではないのですが、一番分かりやすい気がするのです。

靴を見て回るとき、無意識の癖なのか、つま先だけ順番に触りながら見て回るお客さんも時々いました。

実際興味のない人は、「トンガリ靴」とか「もっと丸い(つま先が)ほうがいい」と、つま先で選びます。そして、それくらい周りの目を惹く部分だからこそ、お手入れもせずボロボロだと目立ちます。

そうした意味で、つま先を持ちたくなるのは分かります。
靴を並べていると、ちょうど最も目を惹くし、手に取りやすい部分につま先があるんですから。

つま先をそれだけ触られれば、目立つ部分ですから、汚れます。
でも、汚れたのは拭けばいいんです。

実際靴屋の一日の中で最も多く時間をとるのは店頭の靴のつま先の指紋を拭き取ることなんじゃないか、というくらいしょっちゅう拭いてます。

けれどそんなものは仕事の一環です。

(スエードの靴は毛は潰れるわ、明るい色のものだと手の脂や汚れが付着しちゃって黒くなって取れないものもあるので、やめてほしいですが。)

つま先、持ちやすいですか?

でも、訊きたいのですが、つま先掴んで、靴持ちやすいですか?

革靴の多くは、踵が一番重いです。そこから最も離れた部分がつま先。
もっともバランスが悪いし、重いと思いませんか?

そして、持ち上げた時の指先をちょっと想像して欲しいのですが、力かなり入っていませんか?

指や爪が食い込むんじゃないか、というくらいに力入って持っている方結構いました。
持ちにくいから爪立てて潰すように持っている人も。

その状態で重さ知りたいのか、振る人もいるんですね。

これ、つま先に限らず、こんなことしたら靴駄目になりませんか?

こんなこと、言われたことがありますが。

「持ちやすいようにつま先前にして置いておくのが悪い。」

そう言われるかもしれません。でも、ちょっと考えて欲しい。触りやすいかもしれませんが、じゃあ他の場合でも持ちやすければどこ持ってもいいんでしょうか?

可愛い赤ちゃんがいて、抱っこしたいときに、頭掴んで持ち上げますか?
ちょうど掴みやすいところに頭がありますが。

「じゃあ、直接言えば良い。」

お店によってはほぼ9割方つま先触ります。毎日。
その全員に同じこと言った方がいいんでしょうか?

これに近いことやって、ネットで「態度が悪い」「偉そうだ」とよく叩かれている靴の名店があります。
実際たまたまそのお店でやんわり伝えているところをたまたま見かけたことがあるのですが、そのお客さん、仏頂面で出て行きました。

靴好きそうな感じでしたが。

その日の夜、文句言ってる書き込みがネットの某掲示板でありました。
その方ではないと思うのですが、あまりのタイミングの良さに、私、そのお客さんかと思いました。

非難したいのでも、叩きたいのでもなく。

私の場合、靴や時計しか知りません。
なので、他の場所では失礼な行動を無意識にとってしまっていると思います。

そんなことをいちいち気にしていたら世の中渡っていけませんが、単に知っていればお互いに気持ち良く過ごせるのであれば、それにこしたことはないですよね。

今日も全国各地でたくさんの革靴のつま先が押され、爪を立てられ、店員さんも「またか」と半分諦めながら、悲しい気持ちになり、でもたいしたことじゃないからこれからも続く。

もし周りで靴のつま先掴んで持ち上げている愛する人やご家族ご友人がいたら、優しく教えてあげてくださいね。

小さなことに気付くようになると、他のことにも気を配れるようになる。そんな優しさの連鎖が繋がればいいな、と思っています。

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2016.03.03

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