[1424-201704] ASUSが夏発売のZenFone ARの発表を「今」行った理由と、「見て見て、ほら、足もとに恐竜。」だけではない魅力と可能性。

スポンサーリンク

昨日(2017年4月13日)日本で開催されたASUS JAPANの新製品発表会「Zennovation」。ASUS JAPANは既に海外で発表されたモデルだけでなく、日本独自のモデルの場合でも発売日数日前にプレスリリースのみで突然発表みたいなことをよくやる(常習犯)ので、今回のように事前にティザーサイトまで用意して、更に既に海外で行われたものと同じ「Zennovation」としてSNS等でも情報を小出しにしつつ、実際に発表会を行う、というのは久しぶりでした。

ということで、出てくるモデルはZenFone ARは確定だとしても、それ以外にも個人的にはかなり期待していたのです。(ZenBook 3 Deluxeの日本発売発表とか、その他ZenFoneの新作発表など。)

前会長ジョニーのような素敵なパフォーマンスは期待出来ないまでも、恐らくリアルタイム配信もするだろうし、きっとZenvolutionや海外での発表のように派手やかに、かつ発表モデルも豪華な顔ぶれ、みたいな。

そしたら当日どうですか。リアルタイム動画配信もなく、わずかにメディア関係者各位がTwitterでそれぞれ個別に呟いた程度です。会場写真を見ても、普通の会場です。派手なパフォーマンスもなさそう。挙げ句発表されたモデルはZenFone ARだけです。新しかったのは日本発売価格夏発売予定ということくらい。

そもそもこのモデルが海外で発表された際にもほとんど魅力を感じていなかった私としては一気に盛り下がったのですが、それでもZenFan向けに「新製品発表会【Zennovation】の紹介製品タッチアンドトライ」の夜の部門を急遽用意して下さった、ということで、秋葉原の某所に行ってきました。

予めの言い訳と、今回の日本版Zennovationのコンセプトについて。

と出だしからして散々な書きっぷりで感じ悪いのでここだけ読んで叩かれたりASUS JAPANの人に二度と声かけてもらえなくなると悲しいので言い訳しておきますと、私、今回のZennovation、過去のタッチアンドトライイベントで最長の滞在時間でした。しかも個人的にはこれでも物足りないくらい。もう色々刺激を受けまして、更に濃密濃厚な時間を過ごさせて頂きまして、本当にASUS JAPANの皆様には感謝しております。お世辞じゃないよ。むしろ勝手に一人盛り上がっちゃってごめんなさい。周りで他に参加されていたZenFanの皆様、ひとりおっさんがうるさくてごめんなさい。

だって私、ASUSに限らず、タッチアンドトライイベントってサラリと遠巻きに眺めてそそくさと退散する人間ですから。ほとんど触らないし、一応少々写真は撮るものの、それくらいです。というのは過去の私の文章を見れば気付かれると思います。それが今回は1時間半フルに無駄に留まってました。しかも全く期待してなかったから写真撮る気すらなかったため、今になって激しく後悔

それには、確かに今回が非常に恵まれた環境だった、ということもあります。参加された方自体が少なかったところにASUS JAPANスタッフが豪華フルメンバー(ほぼ)でマンツーマンで至れり尽くせりで質問に答えてくれて説明してくれ、ちょっとでも手持ち無沙汰そうにしていると積極的に声をかけてきてくれる。VR体験だなんだと色々実機でさせてくれる。更に触れるZenFone AR自体も全スタッフが持っていたのか、台数自体豊富。触ろうと思えば幾らでも色々試せた、など。本当にそれは感謝してもし尽くせないくらいの充実っぷりでした。

おかげでZenFone ARの魅力もちょっと分かって、これはこれで面白い色々と未来と可能性を感じさせてくれる端末だと思いました。個人的には出たら買いたいな、と思っています。

何故「夏発売」としか確定していないこのモデルに対して、「今」こうして日本で発表会まで行ったのか。

冒頭でも触れたように、今回の新製品発表会、ちょっと不思議だったんです。単にいつもはASUS JAPANの実働部隊が足りなくて、リソースが割けなかっただけなんです、と言われてしまったらそれで終了なのですが、今回会場で製品の魅力を教えて頂きつつ、その辺りの話を伺って、ようやく気付きました。遅いですか?

今回の新製品発表会は、普段以上に「B to B(企業間取引)」向けの製品アピールに主眼が置かれていたんです。もちろん販売するのは「B to C」で従来通り変わりはないのですが、そのためにも今回はじっくりと事前に「B to B」向けのアピールを行いたかった。何故なら、日本市場においてのこの製品と、この技術の未来は、全て今後のTango(AR – Augmented Reality)とDaydream(VR)がどれだけ認知され、魅力的な活用モデルが出来上がるかにかかっているからです。

しかし一方で発売時期は「2017年夏」と、若干幅を持たせた予定です。これは今回の発表が、ソフトウェア開発法人への呼びかけを兼ねたものであったことも要因としてありそうです。

もう製品の詳細については各メディアが細かいくらいに書かれているので個人ブログの出る幕はほとんどないのですが、一般ユーザー層にとってこのモデルは恐らく昨日から続々挙げられている記事を幾ら読んでもピンときづらい。それくらい実際の用途の魅力的なイメージがしづらいのです。

 しかし、ASUSはこの機種を「デジタル新時代を切り開くリードするイノベーター」(Teng氏)に向けた製品としている。世間一般にハイエンド機種を求める人よりも、評価が定まり切らないうちに新技術や新機能を受け入れる「イノベーター」に向けたモデルだという。

今までリーチしきれていなかったイノベーター層の支持を集めるべく登場したZenFone。それが、このZenFone ARなのだ。

そうした点ではこの「イノベーター」がどの辺りの層を実際に指しているのかも興味深いところです。「私たちASUS JAPANはARとVRの両方に対応するモデルを出します。さぁ、ハードウェアは用意しました。あなたたちはこれをどう活かしてくれますか?」というアピールと提案なのかな、と思います。これから発売までの数ヶ月で、この技術を活かせるハイパフォーマンスモデルを想定して、ソフトウェアやサービスをどれだけ日本の「イノベーター」や前述の「ソフトウェア開発法人」が本腰入れてやろうと思うか

それは発表、即、発売では遅いのです。日本で発売することも価格も確定し、実機テストモデルも既にある状態で、発売までの準備期間があることが重要だったのだと思います。

ただ単にニッチ層に受ければ良いだけなら、別に他国に先駆ける必要もなく、発売直前発表で問題ないんです。

画像はASUS JAPAN社のサイト、Zennovationのティザーサイトからお借りしました。
https://techinstyle.asus.com/jp/zennovation/

まぁRAM 6GBを積んだZenFone Deluxeも当時世界初で、それから発売までだいぶかかりました。話題作りもあるとは思います。ただ、普通に従来通りの各国の発表も終わり、価格も出揃ってから、日本でも各国での反応を見てから発売するかどうか決めても良かったと思うんです。恐らく従来通り、新しい物好きはある程度買うでしょうし、従来通りのスマホの見方をされて、従来通りのレビューが並び、もしかしたら数ヶ月で次の新製品に目移りされて、早々と飽きられてしまうかもしれません。でもそれなりに買う層というのは存在します。

早々と発表したことで、スペックも新鮮味がなくなりますし、もしかしたら発売時には既に冷められているかもしれません。一般的なスマホとスペック上だけの比較をすれば、恐らく単純に並べられてCPで判断されて「高い」「安い」で終わります。そして、その際には恐らくVRもARも日本ではほぼスルーされるでしょう。Googleが未だに日本やアジア市場ではVR用のDaydreamを販売していないことからも、日本ではそれ程まだVR自体注目もされなければ関心もないと思われているかもしれません。

実際私、ARもVRも全く興味ありませんでしたし。そもそもARとVRの区別も付かなければ、「なんで10万出してドミノやる必要があるの?1日で飽きそうなんだけど」などと思っていたくらいです。

けれど、今回予めこの時期に「Zennovation」という形で敢えて新製品発表会を行い、価格も発表し、早めにメディアで発信してもらい、イノベーター層にアピールしたのは、それくらいしないと日本ではまだまだ「単なる特殊機能の付いた10万円スマホ」程度の認識で終わってしまう可能性があるからだと思います。VRとARの可能性に気付かないまま、日本ではサービスもアプリも生まれないまま、結局その後もどのメーカーも「日本じゃARもVRも無理」と参入してこなくなってしまうかもしれません。

私の拙い想像力で訊いた活用例にASUSの人は「技術的には可能ですが、それはこの後のソフト次第ですね」と答えた。

ARもVRも興味がなかった、というよりもよく分からなかった私は、昨日マンツーマンでASUSの方に手取り足取り製品を手に教えて頂いて「おー、こういうモノなのか!」とようやく少しだけ魅力が分かりました。

それで、「じゃあ、この機能を使って○○を△△と組み合わせれば、こんなことが出来るんですね!」と拙い想像力ながら「それ出来たら結構面白いじゃん」と思った用途を幾つか挙げて質問してみたところ、ASUSの人は

「技術的には可能ですし、海外でも幾つか似たようなモノが出ています。このモデルのスペックでも充分にそれは快適に使えると思うのですが、如何せんそうしたソフトウェアやサービス自体が少なく、また対応が進んでいないんです。」

と言われました。だからこそ、このモデルを叩き台にして「そんなソフトウェアをどんどん提案して欲しいし、そうした協業が出来る企業や開発者を求めている」のだそうです。このZenFone ARを使って開発、修正を繰り返すことで、日本でももっと様々な事例が出てくる、データが集まってくることを願っている。その中から、日本でもARやVRを用いたサービスや技術の発展があることを望んでいる。

そんなことを話してくれました。別に立体ARドミノを楽しんでもらうために税込11万弱のスマホを作ったわけではなく、ドミノをきっかけに、また搭載されている3つのカメラ(高解像度2,300万画素xモーショントラッキングx深度)によって人間の目のように認識する「ASUS TriCamシステム」などの技術やハードを活かしてそうした想像を形に変えていって欲しいのだと思います。

そうした点では、単に「アーリーアダプター」ではなく「イノベーター」という表現をしたのも分かる気がするなぁ、と思いました。これ、普通に使うだけなら「見て見て、ほら、足もとに恐竜。」「わーい、ドミノ。」みたいな飲み会の一発ネタとしては使えても、Pokémon GoでARモードが面白いけど使いにくい、とあまり活用されていないのと同様、普通のハイスペックAndroidスマホで終わってしまうからです。

少し脱線。今回のZenFone ARの立ち位置と発表会って、ChromeOSが個人向けよりも文教法人向けに主眼が置かれているのと似ている。

さぁ、ここでChromebookです。私の大好きChromebook。昨夜、帰りの電車の中でこのZenFone ARの立ち位置と今回の発表について考えていて、ふとChromeOSの現状が重なったんです。正確にはAR技術やVR技術とChromeOS、と言うべきか。

[1420-201703] 私は何故ここまでChromebookにハマるのか。ChromeOSにPCの未来を感じ、ワクワクする理由。

2017.03.23

先日非常に多くの方に読んで頂いた上記の文章で、私の考えているChromeOS観が何となく伝わると思うのですが、このChromeOSも個人的にはかなりの可能性と、PCの未来の可能性の一つとして非常に期待しています。けれど日本の個人市場においては「ChromeOSで出来ることは全てWindowsやMacで出来るから、お金あるなら敢えて買う必要はない」「あくまで機能は限られているけれど、これで充分」的な格安ネットブックとしての認識が一般的です。恐らく今後も個人市場に普及するのはなかなか難しいかな、と思っています。

けれど、これも教育市場や法人向け市場となると別です。端末本体の環境に依存せず、提供されるサービス次第で幾らでも使い勝手が変わってくるChromeOSにおいては、開発次第で幾らでも新しい活用例や使い方の提案が可能です。

今回の、教育市場でのChromebookの導入を先取りする形での「すらら」のChromebook対応によって、学校や学習塾といった国内の教育市場はもちろん海外市場でも、「すらら」の導入や、Chromebookの選択によるPC購入費用低減の提案が可能になる。

ChromeOSならではの魅力というのはなかなか地味で一般的には「敢えて考える必要もなく」伝わりにくいのだけれど、これも法人向けや教育市場向けではうまくいけば本来のパフォーマンスを発揮出来る魅力的なシステムやアプリケーション、サービスの開発が生まれる可能性もあります。

日本ではあまり受け入れられていないように見えるChromeOS同様、AR技術やVR技術も何らかのきっかけで大きく日本でも化ける可能性はあるのではないか、と思いました。

AR、VR、更にAIなど。技術はある。あとはそれをどう使っていくかは人次第。そんな未来への想像を広げる一台として期待。

Googleが提案しているAIとしての「Google Assistant」を標準搭載したスマホ、Pixelがその後まだ大きく広がりを見せていないように、こうした技術というのは単に「凄いでしょ」というだけではそれが人の生活にどんな影響を与えるのか分かりません。それが想像出来たとき、その技術は単なる頭の中の妄想に留まらず、人の生活をより面白くしてくれるのだと思っています。

今回のARやVRは別にASUSが開発したわけでも最新の技術というわけでもありません。単にそれらに対応した新作スマートフォンであるに過ぎません。

ただ、このモデルが今回出ることで、もしどこかのイノベーターの何かに触れ、それが思わぬ使い方とサービスを生んでいくかもしれません。そんな可能性は充分にありますし、そうした未来への想像を広げる一台として、私はとても期待しています。

ということで、発売は夏。それまでにARとVRを取り巻く環境が変わるのかどうか。この夏を楽しみに待ちたいと思います。

スポンサーリンク
スポンサーリンク