[0754-201504] 宮城興業 和創良靴3足目はUチップ。一足ごとに広がっていく可能性を感じます。

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私の定番靴の一つ、宮城興業の和創良靴。以前二足目のコレスポンドシューズを取り上げたことがあります。

[0722-201503] 宮城興業の和創良靴の魅力とその無限に広がる可能性を、私の2足目の一足を例に上げながら書いてみる。

和創良靴はまさに靴屋としての力量が試される、無限の可能性が広がる面白いシリーズだと思っています。

そして、私がこの和創良靴をオーダーするにあたって、全幅の信頼を寄せているお店が、長野県松本市にある、靴の館 ヤマザキ屋です。

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今回は一昨年からヤマザキ屋の泉さんと温めて細部を詰めていった3足目のオーダーが完成しましたので、急遽決まった日帰り松本行きに合わせて伺いました。

3足目はUチップ。アッパーは旧イルチア黒、アノネイのワイン、グレインレザー。

経緯は追々書いていきたいと思います。というのは、長くなりすぎるので。ひとまず今回は3つの革を組み合わせたUチップです。

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元となるのは宮城興業の和創良靴らしさが最も表れているMDラスト。オブリックタイプの木型を採用したモデル。通称宮城デン。オールデンのモディファイドラストのような少し特殊な木型ですが、フィットすると非常に履き心地が良い。一度試してみたかったのです。

MDラストをUチップにしてドーヴァーステッチ(スキンステッチ)を加える。

このタイプの木型であれば、オールデン同様、Vチップにするのがデザイン上もっともバランスが取れます。ただ、今回はこのデザインに色々と新しい試みを加えてみたかった。宮城興業がどこまでそれを形に出来るのか、それが楽しみでもありました。

そして、しっかり宮城興業の職人さんは応えて下さいました。

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綺麗ですね。そして、元々MDラストがVチップである理由(オールデンのモディファイドラストがVチップが好まれる理由)はその木型の形にあります。そのままUチップにしてしまうと、中心線がズレて形が何となく収まりが悪くなってしまうのですね。それを今回、オーダーに際して泉さんも心配されていました。

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どうバランスを取って組み立てていくのかは、完全に宮城興業の経験とセンスに依ります。アッパーのデザインのバランスというのは僅かにズレるだけでも野暮ったくも、また何となく収まり悪くもなってしまうもの。

写真ですとなかなか伝わりにくいのですが、実物は予想以上のものでした。

履き心地も重視させ、九分仕立てにハーフミッドソール。

宮城興業の和創良靴の素晴らしいところは、オプション料金の設定の仕方です。私が今回お願いしたような、履き心地に直接関わる訳ではない、デザイン上の意匠などの追加料金や、用いる革によって発生する料金に比べると、九分縫いに対する追加料金が非常に良心的な設定になっています。

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九分に限らず、履き心地に関わる部分のオプション料金は良心的に設定する。靴は履くもの、歩くもの、と考えるととても真っ当な考え方でもあります。逆にデザイン上の追加なんてしっかり価格が上がっても良いんですよ、こっちが好きで言いたい放題お願いしてしまっているんですから。

最高の普段履きが欲しかった。

はい、今回のオーダーの意図は簡単に言うとそういうことです。

0754-201504_WasoRyoka 01

私は普段履きも革靴です。革靴に合うように服装も選んでいます。もう37ですから。そろそろ年齢不詳な服装が似合わなくなってきた、とも言えます。

勿論革靴は色々持っています。ただ、気負わず、旅先でも履けて、旅が楽しくなるような靴。ちょっと上品なお店にも入れて、また仕事も頑張ろうと思える靴。そうした様々な要因を合わせると、なかなか難しいんですね。

気負いが入ってしまうと、肩に力が入ってしまうと、ちょっと違ってきてしまいますから。

そうした靴は一つには今では三交製靴ラギッドシューズがあるのですが、それとはまた違った方向性としてこうした靴を持っておきたかった。そうした願いとイメージを形にしてくれるのが、和創良靴です。

前回のコレスポンドシューズも同様です。

[0722-201503] 宮城興業の和創良靴の魅力とその無限に広がる可能性を、私の2足目の一足を例に上げながら書いてみる。
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何でも詰め込めば良いというものではない。それは野暮でしょ。

豪華てんこ盛りで、どうだー!凄いだろー!と詰め込んで頑張っちゃってるのが分かるような靴は野暮です。この靴が野暮かどうかはそれぞれ意見が分かれるかもしれませんが、単にやりたいことを全て詰め込みたいと思ったわけではありません。

それらの客側の膨れ上がる妄想をきちんとプロの目で判断して、経験を加えて、良い形に落とし込み、職人さんのやる気を奮い立たせてくれるような役割。それが和創良靴における取扱店の店員さんの力量です。前回も書きましたが、コンサルタントですね。

今回もここで触れた以外にも色々入ってはいますが、それを下品にならず、品よくバランス良くまとめて下さったのは、勿論宮城興業の職人さんたちの力も大きいですが、ヤマザキ屋の泉さんだから出来たことだと思います。

本当にありがとうございます。

細部に関しては、ヤマザキ屋のブログにもオーダー例として上げていただけるかもしれませんので、気になる方はそちらをお待ちください。このブログでも折にふれてさり気なく混ぜれたら良いな、と思っています。

0754-201504_Matsumoto 04

とりあえず、今日は松本滞在時間3時間程度で戻ってきてしまったので、ひとまずご報告まで。細部が一部間違いや勘違いがあるかもしれませんが、その辺りは改めて修正します。

0754-201504_Matsumoto 03
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2016.03.03

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2 件のコメント

  • お久しぶりです。

    ラギッドシューズのせモカ、履き心地がいいです。中敷き下のクッションが他の靴よりも厚めで、これが履き心地の良さに寄与しているような気がします。

    かっこいい靴が出来上がりましたね。さりげなく、しかしよく見たら「おっ」と唸らせるような靴ですね。いいですねえ。

    宮城興業の和創良靴は、私も2足ほど持っています。
    なんと私の地元でも取り扱っている店があるんです。
    ここで注文したのは、1つはオイルドレザーのサドルシューズ、もう一つはコードバンのプレーントゥです。
    あの価格でパターンオーダーができるのがすごいですよね。
    そしてニーズに合わせたオプションもすごい。
    よく対応できるなと、その企業努力には頭が下がる思いです。

    で、私の靴はどうかというと、オーダーの割には、サイズ感が今一つなんですよね。
    もちろん、パターンオーダーですから限界はあるんですが・・・・。
    で、何が原因か考えたのですが、宮城興業の責任ではないということです。
    宮城興業は、各代理店から上がってきたデータをもとに靴を作るわけですから。

    では何か。
    1つは注文主である自分。2足注文しましたが、注文のたびに感覚が違うんです。サイズ合せのトライアルシューズ(合成皮革のペラペラの奴です)はどうも苦手です。私の感覚がふらついているから、データもふらつき、出来上がる靴も曖昧になったのかなと。

    もう1つは、採寸するスタッフです。これが一番大事なのかなと思います。
    適切な採寸ができる。
    注文主とのコミュニケーションのなかで、適切なアドバイスをしながら、注文主の様々な意見を引き出し、フィッティングやデザインに生かす。
    それらをもとに、既成の木型のどこにどれだけ盛るのかを適切に判断する。

    そういうスタッフがいる店とそうでない店では、出来上がりにかなりの差が出るのではないかと思います。
    スーツなどもそうですよね。やれ手作業が多い、本バス芯を使っている、ハ刺しだ・・・などと言われてますが、一番大事なのは、注文主の好みのデザインとフィッティングではないかとおもいます。もちろん「オーダーに関しては」です。既製品は自分で選びますからね。

    和創良靴は代理店契約を結んだ店が全国にあります。店によって価格の差がかなりあるようですが、それはそういうサービスができるかできないかという差なのかなとも思ってみました。「こっちの店が安いから」と飛びつくのではなく、店のサービスや採寸の対応をよく見極めて注文すべきなのかな、とこちらの記事を見て思いました。

    そういう点で、ヤマザキ屋さんと信頼関係を築いておられるのは羨ましいと感じました。私の地元は和創良靴の代理店は1つしかなく、選択の幅がありません。残念です。ヤマザキ屋さんには昔から一度は行ってみたいと思っていました(依然取り扱っていたハインリヒ・ディンケルアッカーには興味がありました)が、長野は遠いですねえ。

    • なおけんたさん いつもありがとうございます。
      先ほど三交製靴の件で写真付きのメールを送ったのですが、届いていますか?
      Inbox by Gmailで出先から送ったのですが、手強いことに送信元アドレスの関係か、手元に残ってないんです。
      Gmail、便利ですけど、こういう時に困りますね。すみません。

      さて。ヤマザキ屋は独自の取り扱い靴のセレクト(それぞれに理由とこだわりがあって面白い)と、職人さんたちとの交流があることもあってか、いつも色々と教えていただくことが多いです。
      面白く頼りになるお店ですね。ただ、なおけんたさんの所からですと、東京から更に小旅行になりますので、なかなか難しいですね。
      長野自体は大変良い所ではありますが。

      私も先日の日帰りは12時に着いて15時半にあずさで発つということで、土曜日ということもありあまりお店で色々見る時間がありませんでした。

      オーダーに関しては、まさに仰るとおりで、ついつい細部にばかり目が行きがちですが、本来大切なことは着ている、履いている本人が心地良いかどうか。
      フルハンドだからと言って全てに勝るわけではない、いや、手作業が増えれば増えるほど、職人さんの腕の差が出ますし、採寸する人の腕も、またお客さんとの信頼関係も関係してくる。

      そう考えると、スペックだけをことさらに前面に押し出して売りにしたり、ただそれだけで価格が上がる、もしくは安さを謳う、というのは考えものなのかな、とも思います。

      和創良靴も東京にはそれなりに取り扱い店舗もありますし、その中には素晴らしいお店もあるのでしょうが、なかなか外から眺めているだけではそのお店の力というのが分からず、それが一つのオーダーのしづらさにも繋がっているのかな、と感じます。

      私は幸いにもヤマザキ屋という和創良靴を取り扱う以前からお世話になって信頼していたお店があり(最初に買った靴はディンケルアッカーでした。)、たまたま流れで一度オーダーしてみよう、と思ったら、これは面白い、と。

      まさに泉さんの本領発揮、と言ったところでした。元々以前は関さんの靴を取り扱っていたり(ALBOREや、関さんが作っていた頃のエトスなど)、そこでも面白い靴を色々作られていたそうなので、そうした経験も活きてきているのかもしれません。

      全国の代理店に差が出てしまうのは非常に惜しいですが、それぞれのお店がそれぞれに特色を出した和創良靴が出来れば、宮城興業は大変でしょうが、嬉しい悲鳴だと思います。

      その際に大切なことは、やはり履き心地。採寸がしっかり出来るかどうか、それをきちんと数値と形として伝えられるか、は大前提ですね。