[0839-201506] 最近靴磨きに目覚めたあなたに伝えたいこと。靴磨きは足し算ではなく引き算です。

*2023年(令和5年)10月1日からステルスマーケティングが景品表示法違反となる、所謂「ステマ規制」が施行されました。当ブログの方針についてはこのサイトについてをご参照ください。

*当ブログではGoogle Adsense、Amazonアソシエイト等アフィリエイト広告を利用して収益を得ています。収益はこのブログの運営維持のために充てさせて頂きます。

[0839-201506] 最近靴磨きに目覚めたあなたに伝えたいこと。靴磨きは足し算ではなく引き算です。

シェアする

最近、靴磨きって面白いな、と思い始めたあなたへ。
また、ちょっと靴磨きしてみようかな、と思ったあなたへ。
いま、靴を磨くのが面白くて仕方ないと思います。もしくは、靴のケア用品をいろいろ見たり調べたりするのが楽しくて仕方ないと思います。私もそうでしたし、今もこんなブログやってれば、時々そういう時がきます。
だからこそ、ここで立ち止まって、ちょっとだけ心の片隅にでも留めておいて欲しいのです。
靴磨きは足し算ではなくて、引き算。

楽しいとつい調べたくなる。楽しいとつい揃えたくなる。

DB88_debupizza15133151-thumb-1000xauto-15838
その気持ちはとても分かります。そして、それはとても楽しいことです。その過程で経験も積まれ、間違いも多くしていく中で、自分なりのやり方が見つかっていくんだと思います。だから決して無駄ではありません。
ただ、この過程って、つい考えてしまうんです。新しいクリームやワックス、クリーナーやその他あらゆるケア用品が出るたびに、自分のケア用品一式に加えたくなる。それも靴に必要なんじゃないか、この新しく出たクリームのほうが自分の一生もののこの靴にはより栄養を与えられるのではないか。
[日常] 一生もので買っても一生ものにはならないと思う。

でもね、本当は何もしないほうが余程革にはいいんです。

PAK88_denwadaboo15155554-thumb-1000xauto-18370
ちょっと極論かもしれませんが。そんな今のあなたの靴にとっては、という前置きが必要かもしれません。元々何もしない人には当てはまりません。でもそういう人でももしかしたら意外と当てはまるかもしれない。
「靴磨き」「靴墨」「靴クリーム」「クリーナー」「ワックス」
この言葉からイメージされるように、これらはどうも「塗る」という印象が強い。塗り込むと言い換えてもいい。
だから、この時期の靴好きは、意識しなくても塗りすぎてしまうんです。いろいろと。あれも必要、これも靴には良いかも。このクリームの成分はうんたら。
さらに一つ一つのクリーム自体もごく微量でいいのに、自然と量が増える。何となく塗れている感がないと落ち着かないんですね。達成感がない。

時々思い出す、ロイドフットウェアでの思い出。

革靴に興味を持ち始めた当初。もういろいろな本を読み漁りました。で、そこに書かれていたある(勝手に)師と仰ぐ方の靴磨きの方法を絶対だと信じていたくらいです。自分もこんな風にカッコよく靴を磨きたい。
何のクリームを使っているのかまでは分かりませんでしたが、その書かれていた方法を真似しました。横にその本のページを開いて足で押さえながら。一つ一つ。もう自信満々です。当時20代前半。周りに靴に興味のある同僚も友人もいませんし、なんか自分だけ知っているぞ感ありありでした。

ところがある時、靴にヒビが入り始め、少し切れてきた。

もうショックでした。というよりも、この程度で切れるなんて、不良じゃないかと思いました(最低で生意気です)自分はちゃんとお手入れしているのに。敬愛する○○先生と同じお手入れをしているのに。
で、職場の近くでしたし、休憩時間には時々覗いていた、そしてその靴を買ったお店でもあるロイドフットウェアに見せに行きました。
その時、自分は完全に悪くないと思っていたんです。当然ですね。若造ですから

店員さんは苦笑しながらも、優しく丁寧に私の靴のクリームをすべて拭き取りました。

靴を見るなり、店員さんは何も言わず、ネル(布)を取り出しました。そして軽く表面を拭いたのです。それだけで、ネルが一気に黒くなりました。
要は塗りすぎなんです。革にクリームが詰まっている状態。でいて、きちんとブラシや乾拭きもできていないので、表面に残ってしまって浮き出てしまっていたんです。呼吸も出来ず、革本来のしなやかさを失い、クリームで弾力を失っている状態。
もちろん頭では塗りすぎが良くないことは分かっていました。別に毎日靴磨きをしていたわけでもない。
けれど、やり過ぎてしまった。そして、とにかく塗ることばかり考えていたんです。

あなたの愛用の靴は、今ネルで磨いたら何か付きますか?

DB88_cakekuu15144603-thumb-1000xauto-15883
あなたの一生ものと決めた高級靴。今、綺麗なネルで乾拭きしてみてください。軽くじゃないですよ。しっかりと。黒くなりましたか?であれば、恐らくまだまだ無駄が多い。
いや、俺の靴はあの天下の○○で磨いてもらった靴だが、黒くなったぞ。お前はあの世界の○○より偉いのか。何様のつもりだ。
すぐそう怒らないで。それが○○なら○○なりの理由があるでしょう。でもあなたにも同様の残している何か理由がありますか?
私は黒くなっていたらダメです、と言いたいわけではありません。けれど、今思い出したように軽く拭いただけでも黒くなるようなら、既に塗りすぎてる、もしくは磨きが足りてない場合が多いですよ、と伝えたいんです。
既にお腹いっぱいなんですよ。あなたの靴。栄養が足りないんじゃなくて、飽食状態。

最初は如何に減らせるかに意識を向けたほうが失敗がない。

無駄な工程、無駄なクリームが多いんです。その割にブラシや乾拭きのような部分は結構適当。
磨くんだから、取り除くより塗ったほうが綺麗になる、と思ってしまうんですね。
実際は何かを加える(足し算)よりも、今あるクリームだったり汚れだったりを除く(引き算)ことに注力したほうが余程靴は甦るんです。
不要なクリームを取り除く。
付着している汚れや埃を取り除く。
中に残ったままの汗や湿気を取り除く。
最近の靴クリームは値段も高いだけあって、良い物使ってるんですよ。なんかもう自分の肌より金かかってるんじゃないか、と思ってしまうくらい。
[0725-201503] 牛の革には幾らでも出せるのに、自分の皮には一円も出せない私とあなたに男性用スキンケア用品の世界へのお誘い。
靴が好きな人ほど、最初は何を加える(足し算)かよりも、まだ何か取り除けないか(引き算)で考えたほうがうまくいきます。

現代人と同じ飽食で胃腸が弱っている状態。

DB88_hamkuu15143018-thumb-1000xauto-15844
今日はあのクリームとこれとこれ使おう。次はあれを試してみようかな。それにこれを加えて、最後はこれ。
現代社会の日本人と同じく、一日三食栄養価満点の大量の食事を疑いもせず取って、胃腸が疲弊しきってます。
[0832-201506] 30日間不食する必要はなくても、定期的に一日一食にするだけで、頭も胃腸もスッキリするよ。
自分はステインリムーバーを毎回使っているから大丈夫?そう思うならお好きにどうぞ。
でも結局その後の工程で大量に塗り込んでるんなら、次のステインリムーバーまで革は辛いと思いますよ。それならステインリムーバーなしでも安心できるくらいに量減らしたほうがお財布にも革にもよくありませんか?

なるべく塗らないのと、靴に関心がないのは全くの別物です。

今まで散々お手入れの重要性を書いておきながら、お手入れは無駄だと言うのか、とつまみ読みだけして揚げ足取りたい人もいるかもしれませんが、良く読んでくださいね。
何もするな、と言いたいわけではない。けれど、意識して何もしないのと、そもそも靴に関心がないのとでは全く別物ですが。
もっとあのアボカド入の、あのシアバター入の○○を使って、仕上げは□□の高級ワックス、更に保護するために何たら。
気持ちは分からなくはないですが、ちょっと一ヶ月で良いから一度忘れてみません?足し算をするのを。
それよりもクリームから汚れまで、とにかく除いていく。引き算で少し考えてみましょう。もっとあなたの愛する革靴の本来の力を信じてあげませんか?

楽しいとつい調べたくなる。楽しいとつい揃えたくなる。

でもね、本当は何もしないほうが余程革にはいいんです。

時々思い出す、ロイドフットウェアでの思い出。

ところがある時、靴にヒビが入り始め、少し切れてきた。

店員さんは苦笑しながらも、優しく丁寧に私の靴のクリームをすべて拭き取りました。

あなたの愛用の靴は、今ネルで磨いたら何か付きますか?

最初は如何に減らせるかに意識を向けたほうが失敗がない。

現代人と同じ飽食で胃腸が弱っている状態。

なるべく塗らないのと、靴に関心がないのは全くの別物です。

  • 楽しいとつい調べたくなる。楽しいとつい揃えたくなる。
  • でもね、本当は何もしないほうが余程革にはいいんです。
  • 時々思い出す、ロイドフットウェアでの思い出。
  • ところがある時、靴にヒビが入り始め、少し切れてきた。
  • 店員さんは苦笑しながらも、優しく丁寧に私の靴のクリームをすべて拭き取りました。
  • あなたの愛用の靴は、今ネルで磨いたら何か付きますか?
  • 最初は如何に減らせるかに意識を向けたほうが失敗がない。
  • 現代人と同じ飽食で胃腸が弱っている状態。
  • なるべく塗らないのと、靴に関心がないのは全くの別物です。